チームワークについて考えるシリーズ第二弾。
今回は他人を観る眼についてです。
▼目次
1) 自己認識
1-1) 自分で自分を認識できている
1-2) 他人から見た自分を認識できている
1-3) 自分で自分を改造できる
2) 他人を観る眼・・・今回はここ!
2-1) 同化と観察の違い
2-2) 観るトレーニング
2-3) 観るから動かすへ
3) プロジェクトのチームワーク
自己認識の次は「他人を観る」です。
自分と同じであり違う人間である他人とコミュニケーションをとるには、
相手のことをよく観る必要があります。
2-1)同化と観察の違い
自分はこれは嬉しいから、相手も嬉しいに違いない
こうした共感はそれはそれでとても大切なものです。ここには自分と相手は同じ人間であるという同化の作用が働いています。
ただ、チームワークで重要になってくるのは
相手は自分とは違う人間であるという前提のもと、相手の言動を観察して理解に努めることです。
空気を読む、察するなどが文化としてある日本人にとってはどちらかというと苦手なところかと思います(僕も苦手です)が、まずはここの違いを意識することが一歩目だと考えます。
一見すると冷たくも感じるこの姿勢が、実はチームワークを発揮するには大切になります。特に、新しいモノの創造はタイプが違うヒトたちが議論を通して噛み合った先にあるように思っています。
2-2)観るトレーニング
学校などの集団生活を通して、僕たちはなんとなく他人を観る眼があると思っています。
けれどここは人によってレベル差があります。
少し話しただけでそのヒトの本質を鋭く見抜く眼もあれば、けっこう一緒にいたのにそのヒトを表面的にしか知らない場合もあります。
そのことを肌で感じるいい方法が、
上司と一緒に面接に出てみて議論するというものです。
自分が気づかなかった視点でのコメントを聞くことで、観る角度や深さについて知ることができます。そして実際に採用となった場合、その人のその後の変化を見ることで予測の精度をあげることにもつながります。
面接とまでいかなくても、自分の周りの人について話したり予測することはできます。
日常生活の中で小さく観察とフィードバックを繰り返す地道な道しかなさそうです。
仕事に関わらず、生きていく上でも大切な力だと思うので、自分なりに少しずつ磨いてみましょう。
2-3)観るから動かすへ
観るというだけでもかなり難しいことですが、チームワークを機能させるには次の段階「動かす」が必要となってきます。
動かすという言葉を使うとコントロールや支配のニュアンスが出てしまいますが、そうではありません。
古典的名著であるカーネギーの「人を動かす」という書籍がありますが、
原題:How to Win Friends and Influence People
こちらの動かすと同様で、動機づけるや影響を与えるという意味合いです。
自分も他人もワクワクと何かに取り組めている状態は理想だと思います。そんな状態に近づくための「技術」と捉えることもできます。
カーネギーの言葉にあるように
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
人を熱烈に動かそうと思ったら、相手の言い分を熱心に聞かなければならない
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まずはしっかり観て聴くこと、その先に相手に働きかける。
順番を間違えると独りよがりになってしまうので注意が必要です。
そしてこの動かすという段階にくると、これは個人の性格やキャラに依存する部分が大きくなります。誰かのやり方を真似してもうまくいかないので、自分だけのやり方を見つける必要があり難度が高いです。マネジメントが難しいとされる要因の1つでもありそうです。
どうやって周りを盛り上げてワクワクさせるか、各人が活き活きと輝ける場を作れるか、模索は尽きません。
チームで開発をするときにもデザイナーはエンジニアを、エンジニアはデザイナーの創作意欲を湧かせるようなアウトプットがお互いにできるとすごく良いモノが出来上がります。
他人を観る力は後天的な要素が多いと思われます。意識して続けていけば、年を重ねるにつれて磨かれていくはずです。
次回は「プロジェクト進行中でのチームワーク」についてです。