Mogic社内で実践しているトレーニングを紹介

インターン生の連載

【インターン連載】ワタシ、やまとです。4

2025.06.26

生物は皆同じ世界を生きている。——そう思ったことはありませんか? 例え周囲の環境は違えど、同じ空間に存在し、同じように時間が流れている。私は、これが揺るぎない事実だと考えていました。しかし、あることを知って、絶対的なものではないと思うようになったのです。

環世界という言葉をご存じでしょうか。 環世界というのはドイツの生物学者、ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した、生物が主体的に構築する世界のことを指します。生物それぞれが自身の感覚を通じて知覚している世界があり、空間や時間の認識すら生物によって異なるというものです。この概念は、私がこれまで生きてきた常識を覆すような考えでした。

特に衝撃的だったのは、時間感覚についてです。 時間の流れは環世界では全く異なるということに、初めは混乱しました。時間は等しく流れており、0.1秒というのは一瞬で過ぎ去って行く。そんなことは当たり前で疑問にすら感じたことはありませんでした。しかし、環世界となると、空間や時間など全て主観的なものに過ぎないのです。ある生物にとっての0.1秒が、別の生物には長く感じられるかもしれない。あるいは、時間という概念自体を持たない生き物もいるかもしれないのです。

初めてこのことを知ったとき、理解ができませんでした。五感は生き物それぞれ特色があり、見えているものや感じ取るものが違うことはわかります。しかし、目の前に花があれば、それは花がある。という事実には変わりないし、時間も等しく過ぎる。時計という人間が生み出した時間の流れが絶対的なものだと思っていました。 つまり、私は客観視できていると思っていたのです。目の前に花があろうと、目の前の生物が知覚していなければ、それは違う世界。このことがとても衝撃でした。認識していることが当たり前だと信じてやまなかったのですが、当たり前のことなどないと環世界が教えてくれた気がします。生物の数だけいろいろな世界が存在しているかもしれない。そんなことを考えるようになってからは、世界がより一層広がったように感じます。

ここまで人間とその他の生物を比較して話しましたが、人間でも同じことが言えるのではないかと思います。人それぞれ全く別の世界が見えていると考えると面白く感じませんか?多様な考えがあるのは理解していましたが、多様な世界があるとは思ってもいませんでした。私たちは同じ人間であっても、まったく違う世界を見ているのかもしれない。そう思うようになってから、日々の小さなことにも興味が湧いてきます。

環世界は、何事も自身の目に見えているものや認識しているものが全てではないと改めて教えてくれました。残念ながら、人間以外の生物がどう知覚しているのかを知り得ることはできません。あくまで想像するしかないのですが、そこにとてもロマンを感じます。環世界については奥が深く、私も多くを理解しているわけではないので、興味を持った方はぜひ調べてみてください。

ここまで長々と語ってきましたが、私が環世界にたどり着いたきっかけは、社内サービスの開発中、常に考えていた「相手の目線に立つ」ことを突き詰めていった結果でした。日常生活で人とのコミュニケーションがうまくいかないこともあるでしょう。でもそれは、相手がまったく別の世界を生きているからかもしれない——そう思うと、コミュニケーションが取れるのは簡単ではないし、すごいことなのでは?とも思います。

Mogicで約1年間、デザイナーインターン生として過ごしてきましたが、業務や環世界との出会いもあり、人の優しさをより強く感じるようになりました。入社して初めの頃は不安なことも多々ありましたが、最終的に伸び伸びと過ごせたのは、周りの人の優しさがあったからだと感じています。私のインターン生活を一言でまとめるなら、多様な見方ができるようになった1年でした。

卒業後もさまざまな人と出会い、いろいろな世界に触れていきたいです!