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インターン生の連載

【インターン連載】オレ、ワタナベです。6

2025.05.29

洗濯物を取り込むとき、部屋の中に虫が入るのを気にする季節になりました。オレ、ワタナベです。まずは毎回恒例、天気の話から。

土砂降りの雨に遭遇したとき、こう考えたことはありませんか。「傘ってどうして進歩しないんだ?」と。AIが人間の能力を超えるだなんて言われている日に、我々はいまだに紀元前3000年以来のいにしえの道具を使い続けています。

しかし、いざ傘の代わりとなる道具を考えようとすると、思った以上に難しいのです。一番手っ取り早いのは、体全体を風船で覆ってしまう作戦なのですが、これをやると都心の歩道は大混雑になってしまうし、強い風が吹いたら体ごと吹き飛ばされてしまいそうです。他にも頭の上で強力扇風機を回して雨粒を吹き飛ばす作戦とか、空に巨大な幕を張る作戦なんかも思いつくのですが、いまいちパッとしません。

きっと傘が誕生してから現在までの間、たくさんの人が「傘に代わるもっといい案あるんじゃないか」と考え続けてきたのだと思いますが、いまだに傘を超える発明は生まれていないようです。そう考えると、傘には人類の希望と絶望が結集されているようで、なんだか感慨深いですね。

さて、Mogicにインターン生として入社してから1年と3か月が経ちました。最初のうちは社員さんの業務のうちごくごく一部をお手伝いさせていただく、というかたちでしたが、しだいに「ここからここまでの流れを任せた」のように、ある程度自分で業務を進めていくかたちにシフトしています(もちろん、社員の方々に頼りまくりですが)。自分で業務を進めていくとなると、必然的に締め切りというものが発生します。

締め切りがひとつだけならいいのですが、ひとつまたひとつとやることが溜まっていくと、だんだん焦ってきます。「これを今日中に終わらせないと次回あれができない」と、どんどん心のゆとりがなくなってきます。

そんな時、僕はある言葉を思い出します。ミヒャエル・エンデの童話『モモ』に出てくる、道路掃除夫ベッポの言葉です。作中で、彼は広大な街の道路を、箒ではく仕事をしています。ベッポは、ある時主人公のモモにこう語ります。

とっても長い道路をうけもつことがあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。

そこでせかせかと働きだす。どんどんスピードをあげてゆく。ときどき目をあげてみるんだが、いつ見てものこりの道路はちっともへっていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息がきれて、動けなくなってしまう。道路はまだのこっているのにな。こういうやり方は、いかんのだ。

いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。

すると楽しくなってくる。これが大事なんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。

ひょっと気がついたときには、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶおわっとる。どうやってやりとげたかは、自分でもわからんし、息もきれてない。

これがだいじなんだ。

もちろん、締め切りは複数人でのプロジェクトを円滑に進めていくために必要不可欠だと思いますが、僕個人の心持ちとしては、ベッポのような仕事観を持ち続けていたいと思っています。

こんなことを書くと、「先の見通しが甘い」とか「仕事に楽しさを求めるな」なんて糾弾されてしまうかもしれません。でも、この記事を読んでくださるみなさんは、こんな僕の仕事観を受け止めてくれると勝手に期待して、あえて記事にしてみるのです。

おっと、申し遅れました。オレ、ワタナベです。最近はオフィスの前の公園で憩う人を観察するのが日課です。締め切りに踊らされるのは、公園に気を取られているせいかもしれませんね。反省、反省。